+ 夢小説U−2 +


2003年1月4日 「初夢2」(2003年1月2日の夜見た夢)

 今日から大学4年生だ。学科は法学部。毎日法のことを学んでいる。
 現実はまったく違うが。
 夢だから何でもありだ。
 私が、サークル「折り紙愛好会」の募集ポスターを友人と校内に張っていた時だった。
「あのさ。俺、「紙風船愛好会」の部長なんだけどさ、興味ないかな」
 私より少し小さめの男の子が話し掛けてきた。ちょっとだらしない雰囲気がある。
「あ〜。私もう4年だから。・・・1年に見える?(笑)」
「あ、あいや〜。すみません。はい。とっても若く見えますよ〜」
 若い!という言葉に気をよくした私は、相手の持っていたチラシや、資料を見た。
「へ〜。部員30人もいるんだ・・・あれ?」
 部員名簿の資料には、自分の知っている名前が2人書かれていた。
 浮堀小唄君と、中原啓介君。
「この2人、知ってるよ〜」
「そうなんですかっ。2人とも熱心に紙風船を作ってくれてますよ〜」
「そ・・・そうなんだ」
 なんか意外だなーと、想像をふくらませる。
 ・・・って。こんなとこで雑談してたら授業遅れるって。
「私そろそろ授業始まるから、頑張ってね〜」
「あ、はい。お時間とらせてすみませんでした〜」
 そう言って、彼は去って行った。
 見た目とは違って、けっこういい子だったな。名前聞いときゃよかった。
「ねぇ、うめにょん。さっきの子だれ?」
 一緒にポスター張りをしていた友達が聞く。
「ああ、なんかサークルの勧誘。「紙風船同好会」だって。わざわざサークルでやるほどのことかね〜。まさか浮堀君まで入ってるなんて、ちょー意外」
 言わなくていいことまで素直に言う。これは私の最大の欠点だ。
「あの、さっき俺、ここに資料忘れてきませんでしたっけ」
「うぎゃぁぁぁ!!!!!」
 彼は戻ってきた。
「?」
 どうやら聞かれなかったらしい。
「いや見てないよー」
 と言った直後。バックで声がした。
「うめにょんが、わざわざサークルでやるほどの・・・」
 さっき話した友人が、他の友人に私の言った失礼な言葉をしゃべっていた。
「ぎゃぁーーーーーーーっっっ!!!!!」
 自分の叫び声でかき消してみる。
 彼は、まるで珍獣を見るかのごとく驚いて、目を見開いた。
「あ・・・」
 何をしゃべっていいのか分からず口をあけたまま固まる。そして、数歩後ずさった後、きびすを返して逃げて行った。
 後に残るのは沈黙。
 ・・・最悪。
 ・・・最・悪っ!!!
 やっぱり、悪いことは言っちゃだめよね・・・。たとえそれが本音であっても。
 それは今まで、何度も何度も何度も後悔したことなのに。
 それでも直らない最大の欠点。
 なんとかして、今日から直そう。
 反省。
 ちょっと憂鬱な気分で、ポスター張りを中断し、授業へと向かった。

 木でできた大きめの小屋。
 そんな感じの教室だ。
 あれ? あそこにいるのは知り合いかな?
「やっほ〜っ」
「おおっ、おはよう」
 さっき名簿で見た2人目の知り合いの男の子だ。
 茶髪で、私より背は少し大きい。ごくごく標準的な一般人である。
 私は、彼の隣に座ると、木の机にノートを広げた。
「会うのって、これで3回目かなー」
「そうだな。あんまり会わねーもんな」
 えーっと・・・。
 この人の名前、なんだっけ?
 さっき名簿で見たはずなんだけど・・・。
「あのさ・・・ところで、名前なんだっけ?」

 そう聞いたとたん、空気が変わった。

「・・・それは本気で言っているのか・・・?」
 こわ!! こわ!!!
 な・・・なに? 名前ってやっぱ、覚えてなきゃだめ?
「お前、それがどういうことか分かってるのか・・・?」
 鬼気迫る雰囲気に、たじろぐ。
「え・・・え・・・ええ?」
「雪の中でな。冷たい空気の中でな。つぶらな目で見てるんだよ。涙を流すまいと必死に耐えてな。お前、分かってるのか? 小さな人形だからって捨てていいわけじゃないんだ。祈りの声も天に届かず、そこにあるのは絶望だけだ」
 な・・・。
 何を言ってるの・・・?
 私の頭には「???」が飛んだ。
 意味わからん・・・。
 意味わからん・・・が。
 彼は何だか怒っている。
 このまま怒られ続けるのは嫌だなぁ。
 とりあえず、怒って悪かったなと思わせよう。
「ひぅ・・・うっ・・・」
 泣くような声を出して、手で顔を覆った。
 これであくびでも出れば、涙も出るってもんだが。
 相手がたじろぐ様子が空気で伝わってくる。
 あーあ。
 今日は1日、机に突っ伏していよう。
 がば。
 ぽん。
 肩に手を置かれる。
 肩で振り払う。
 今顔を上げたら、嘘泣きがばれる・・・。
 あーあーあー・・・。

「そぉ〜この、おふたりぃ〜。ちょっとずれていただかなきゃ、こ〜ぉまりますぅ〜」
 よく分からんイントネーションで話しかけられる。
 うねうねした鬱陶しそうな黒髪をファサっと振り払い、黒メガネを指で持ち上げた。
 先生である。
 とりあえず、涙をふくマネをしてから顔を上げる。
「うぉわ!」
 なぜか、私の目の前の床が抜けていた。
 いつのまにか私は2階にいたのだ。
 自分の足元の真下には、1階の床が見える。
 そういえば、授業になると、床が抜けるんだった。
 よく分からん記憶をたどり、なぜか私は納得した。
「そこのふたりぃぃ〜んは、ひだりぃ〜んに、ずぅ〜れてくぅ〜ださ〜い」
 そう言われ、左に移ろうと、立ち上がった。
 そこにはもう、イスはなかった。
 ただ、さっきまで床があったはずの空間に突き出す60センチ×60センチくらいの木の板だけだ。
 何でこんな目に・・・。
 1階に落ちないようにしなきゃ、と気をつける。
 胸がバクバクいう。
 落ちたら骨くらいは折れるかもしれない。
「あのさ。俺・・・」
 そういえば、コイツいたなぁ。
 彼は、私が落ちないようにと、体を支える。
「俺、お前が・・・」
 なんだよ。
「ほしい」

ガーーーーーーン!!!!!!!

「俺さ・・・」
 どうしようか。どうしようか。
 てゆーか、私ダーリンいるじゃん。
 浮気してもなぁ。後で問題になると嫌だしなぁ。この人しつこそうだしなぁ。
 見た目は普通っぽいけど・・・。
 でも、さっき変なこと言ってたたしな。きっと電波だよなぁ。ストーカーとかになったら嫌だなぁ。
「俺・・・」
 うるさいなぁ。やっぱりココはやめておくべきよね。
「断る」
 

 シーンー・・・。

「落としてやるぅぅぅぅぅ!!!」
 
 ドンッ!

「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
 なんで、いつも落ちてばっかりなんだーーー。
 やっぱり、もっと気をつけて言葉を選ばないと・・・。
 いっつもこんな終わりじゃないかぁ〜〜。

 最後の最後にこれが夢だと思いだし・・・。
 そのまま落ちながら、目が覚めるのを感じた。

 今年の初夢は、自分への戒めでした。

 

戻る

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送